
乾癬には様々な治療法があり、内服薬(飲み薬)、外用薬(塗り薬)、光学治療(紫外線)が一般的だと思います。
そこに加わえて近年、生学療法として生物学的製剤による治療法も確立してきています。
生学療法
生学療法は、生物によるタンパク質から作られた生物学的製剤による治療で、投与には皮下注射と点滴の2種類があります。
近年の研究により、サイトカインと呼ばれる免疫機能に関わる物質が乾癬に影響を及ぼしていると考えられています。
サイトカインが過剰に増殖することで皮膚の炎症が起きてしまいますが、免疫機能の異常により乾癬患者には何らかの原因でサイトカインが過剰な状態になっているようですね。
生物学的製剤はこのサイトカインに働きかける治療法で、何種類かがありヒュミラやレミケードが一般的です。
ヒュミラ
一般名はアダリムマブです。
ヒュミラは抗TNF-α阻害薬です。TNF-αとはサイトカインの一種で、ヒュミラはこのTNF-αの働きを抑制する効果です。
マウスたん白から由来しますが、遺伝子工学技術により人間の体内に存在する抗体に類似したものを作りだしました。レミケードはマウス型でヒュミラはヒト型といいます。
投与方法は皮下注射による投与で数分で終わり、投与期間は2週間です。
レミケード
一般名はインフリキシマブです。
レミケードも抗TNF-α阻害薬です。TNF-αの働きを抑制する効果ですね。
前述の通り、ヒュミラのヒト型ですが、レミケードはマウス型です。
投与方法は点滴で、所要時間は2~3時間です。投与期間としては、初投与後の2週間後に2回目、その4週後に3回目を投与し、その後は8週間おきの投与です。
効果と副作用
今まで乾癬症状の改善が見込めなかった患者さんや、治療のしにくかった関節や爪などの乾癬にも効果が期待されています。
もちろん皮膚症状にも効果的とされ、8割以上の患者さんに効果が見られています。
ただし、副作用には注意しなければなりませんね。薬を使うとどうしても副作用は付きものです。
特に副作用で、感染症やアレルギー症状は注意しなければなりません。注射した部位の腫れ上がりや血液障害や肝機能障害も挙げられています。
まとめ
生物学的製剤による治療は効果的な面、副作用にも気を付けなければなりません。
費用は高額療養費制度が適用される場合もありますが、基本的に安いものではありません。
医療機関によって異なりますが、1回の投与に5万円はかかるはずですので高額ですね。
ただ、生学療法は比較的短期間での改善効果が見込めるため、魅力的な治療でもあると思います。今後の普及で治療費が安価になってくることを望みたいですね。