
乾癬を理解し、治療や対処をするうえで、正常な皮膚との違いやメカニズムを知っておくことは重要だと考えます。
その違いを理解することで乾癬治療にも繋がっていくことでしょう。
皮膚の働き
皮膚の働きは目には見えにくいですが、絶えず生まれ変わりながら様々な働きをしています。
水分などの体内元素欠乏や有害な外部要因を防ぎ、体温調節や体の結束、感覚器や免疫系としても働き、たくさんの重要な役割を担っています。
健康な生体保持には角層が重要な役割を果たし、皮膚疾患を理解するために正常な皮膚の構造や機能を把握することは重要になってきます。
⇒乾癬の原因は内臓か
皮膚の構造
皮膚は、真皮と表皮の2種の層から成り立っています。
真皮は厚さ2mmのある深部の層で、血管、神経、腺などが通う敏感な組織です。
表皮は厚さ約0.2mmで構成され、表皮細胞の95%は角化細胞となっていて、表面部の硬い保護層は角化細胞の角化により角層が形成されます。
角層は皮膚の最外層として水分の蒸発や異物の侵入、紫外線などの外的環境から人体を防御する重要な機能を持っています。
この角化細胞は表皮の最下層で分裂し、成熟するに従って上方の層へ移行していきます。層には4段階あり、下層から基底層、有刺層、顆粒層、角層という順で形成されています。
正常な皮膚サイクル
正常な皮膚サイクルとしては、新しい皮膚細胞が形成されると、表皮細胞を形成するために外側へ細胞が押し上げられ移動が始まり、新しい細胞と古い細胞が入れ替わっていきます。
基底細胞が分裂して、表皮表面で垢となってはがれ落ちるまでの時間をターンオーバー時間と呼び、年齢や箇所によって異なりますがターンオーバー時間は30~50日ほどといわれています。
皮膚のターンオーバーは、美容や健康でも聞きなじみのある言葉ですよね。
乾癬のメカニズムと皮膚サイクル
乾癬の症状が現れている箇所の皮膚には、このターンオーバー時間の細胞が入れ替わる正常なサイクルに乱れが生じています。
10倍近い驚異的なスピードで新しい細胞を作り出すので、表皮は赤く腫れ上がり盛り上がってしまうんですね。
そして、どんどん外側に追いやられた細胞が異常な量のかさぶたのような垢となってしまい、銀白色の鱗屑となって紅斑に現れます。
皮膚の異常サイクルによって現れる鱗屑は、衛生的ではありませんし、見た目的にも好ましくないものです。ただ、無理矢理剥がすのは乾癬の悪化を招くのでやめておきましょう。
皮膚の異常サイクルの原因
異常サイクルとなった皮膚細胞によって表面的な乾癬症状が現れるですが、この異常サイクルの原因については、まだはっきりとわかっていないのが現状です。
皮膚の異常の他に、内臓や体内毒素についての影響も大きいと考えられていて、皮膚をケアするのではなく体質からの改善を考えるのが乾癬治療への道でもあるでしょう。
表面的な皮膚の治療をしていては、乾癬の悪化や再発を招いてしまいがちですので、内面から考えた乾癬治療を考えていってください。
まとめ
正常な皮膚と乾癬症状の違いは、皮膚細胞の異常サイクルということですが、その原因は皮膚ではないと考えられます。
皮膚外側からの問題ではなく、体の内側からの問題ということが重要ではないでしょうか。
まだ、皮膚の異常サイクルの原因ははっきりとしませんが、乾癬のメカニズムを理解することで正しい対処法や治療方法に繋げていきましょう。
乾癬治療方法と完治への道はこちらでまとめていますのでぜひご参考ください。