
乾癬では皮膚が赤く盛り上がった紅斑に付着する鱗屑(りんせつ)が特徴的です。
そしてこの紅斑と鱗屑の見た目が乾癬の最も悩ましい症状のひとつでしょう。
鱗屑はなぜどんどん発生してしまうのでしょうか。
乾癬と鱗屑
鱗屑は銀白色のフケのようなものもので、様々な皮膚疾患に伴って現れる症状です。
角質細胞が異常増殖によって角質が大量に形成され、どんどん外に追いやられることによって鱗屑となります。
鱗屑が付着するというよりは、発生しているといった方が正しいかもしれませんね。
そして鱗屑が剥がれ落ちていくことを落屑と呼びます。
乾癬では、紅斑に起きている皮膚の異常サイクルによって、この鱗屑が生まれ続けるという状態となってしまっています。
鱗屑を抑えるというよりは、皮膚の異常サイクルを抑えなければなりません。
⇒乾癬とアトピー性皮膚炎
鱗屑の発生原因
鱗屑は角質が異常増殖することによって、正常なサイクルで排出されないことによって起こります。
通常の皮膚は、老廃した角質細胞は垢となって自然排出されていますが、皮膚疾患に伴う角質の異常増殖によって鱗屑となってしまうということです。
鱗屑を抑える
鱗屑を抑えるためには、乾癬やアトピー性皮膚炎といった皮膚疾患を治療するのが重要で、鱗屑だけを抑えるというのは難しいです。
一時的な鱗屑を抑えるというのであれば、ステロイドの使用によって患部の症状を抑えることができますが、あくまで一時的となります。
体質を改善して皮膚疾患を改善していかなければ、ステロイドの副作用によって悪化し、乾癬症状が再発してしまうことがほとんどなんですね。
一時的に症状を抑えるとストレスも和らぐでしょうから、それと並行して食事治療や生活習慣の改善を行うことがおすすめです。
フケ症と鱗屑
フケ症で頭皮にフケが出やすい人もいらっしゃいますが、フケがいつもより多く発生するといった場合は皮膚疾患の可能性があります。
フケや赤みがある場合は脂漏性皮膚炎のケースが多いですが、他の皮膚疾患の可能性もあるので、頭皮にフケや鱗屑が多いと感じたら皮膚科で検査してみるのがおすすめです。
乾癬は髪の生え際に発生しやすい傾向もあるので、いつもと様子が違うと感じたら早めに皮膚科を受診してみましょう。
乾癬も早期治療が大切です。
鱗屑は剥がしてはいけない
銀白色のカサカサがないだけで、普通の腫れに見えるようになるかもしれませんが、鱗屑を無理に剥がさないでください。
鱗屑を剥がすと点状の出血が現れるアウスピッツ現象ともなってしまい、症状悪化の要因ともなってしまいます。
保湿をしつつ、皮膚の異常サイクルを正常に戻すという長期的な視野で鱗屑を対処していきましょう。
そのためには、食事療法や生活習慣の改善という乾癬を遠ざけるための体質作りが重要になってきます。
まとめ
鱗屑は乾癬の代表的な症状のひとつです。
見た目が好ましい状態ではないため、不潔な状態に見えてしまいがちなのが悩みどころですね。
無理に引っ掻いたり剥がしてしまうと患部が悪化してしまうので、鱗屑を改善するなら皮膚疾患そのものを改善することが重要です。
薬などの対処で一時的に鱗屑は改善はしますが、再発や悪化の可能性があるので食事療法などから体質を改善していくことをおすすめします。
乾癬治療方法と完治への道はこちらでまとめていますので、合わせてぜひご参考ください。